01・「A」
著者:森達也
02・環境リスク学
著者:中西準子
03・水源ーThe Fountainhead
著者:アイン・ランド
04・インフォーマル
著者:セシル・バルモンド
05・住宅は建築家か 「住宅の射程」
著者:磯崎新、藤森照信、安藤忠雄、伊藤豊雄
06・再考 土浦亀城 SD9607
07・土地の文明
著者:竹村公太郎
08・作曲家・武満徹との日々を語る
著者:武満浅香、武満徹全集編集長
09・WHAT IS OMA
-レム・コールハーストOMAニツイテノ考察
著者:ヴェロニク パテヴ, 橋本 啓子
10・劇場の構図
著者:清水裕之
11・この人この世界 潜在自然植生と宮脇昭
12・地球持続の技術
著者:小宮山宏
13・脳を育てる
著者:高木貞敬
14・建築家林昌二毒本
著者:林昌二
15・養老先生の環境論 一番大事なこと
著者:養老孟司
16・夢の場所・夢の建築
ー現記憶のフィールドワーク
17・TOKYO STYLE
著者:都築響一
18・サイレント・ガーデン
ー滞院報告・キャロティンの祭典
著者:武満徹
19・行動主義ーレム・コールハース
〜ドキュメント
著者:瀧口範子
オウム事件後に彼らを追いかけて取材したドキュメンタリー映画をとった森達也の本である。「A」のDVDを借りて見たかったのだけれどなかなかツタヤディスカスで借りられないので本から読んでみた。もはや忘れ去られようとしている地下鉄サリン事件であるが、個人的には非常によく記憶している。事件当時、中野弥生町に住んでいて、通勤には中野富士見町の駅を利用していた。事件の朝はサリンの被害にあった患者が中野坂上あたりで病院に運び込まれたか何かで丸ノ内線も大幅にダイヤが乱れていた、しかしその朝何が起こったかはわからなかった。会社に行き、たしか10時から三菱地所の土木部の人と幕張のベイタウンの景観道路の打ち合わせだったのだが、時間通りに新宿のオフィスにタクシーで来たのでさすがだなぁと感心したこと。前日の夜は日曜で「フォレストガンプ」を結婚する前の妻と新宿で観たことなどもよく覚えている・・・余談だが。その後のマスコミ報道は麻原が東京拘置所に護送される報道を頂点としてヒーローものの映画でも見ているかのごとくついに極悪人を捕まえたといわんばかりの演出とエネルギーだったことを記憶している。全国民が正義の名のもとに、テレビ、新聞などのマスコミを通じて涙と感動の警察、公安対オウムという構図のドラマを頭にすりこまれたのではないだろうか?その時にただひとり反対側でオウムの内側からカメラを構えていたのが、この本の著者であり「A」というドキュメンタリー映画の監督である森達也である。
2007/5/23
環境問題を煽る報道に嫌気を感じる人は多いはずである。ではそうすればその報道が真実か嘘か見抜くことができるのだろうか?
建築業界では最近、シックハウスや耐震偽装のリスクによって建築基準法が改正されているがそのリスクに対してその政策は本当に正しい政策であるのか評価がされたのだろうか?もっと効率的な方法があるのではないかということについて政府では検討すべきではないだろうかと考えさせられた。
なぜなら誰か年間の確認申請数のうち耐震偽装された件数の確率がどれほどの数字かご存じだろうか?ニュースでは聞いたことがない!・・・個人的な感覚で申し訳ないがおそらく0.1%未満だろうと推察する、今回基準法の改正は違反の可能性がない設計者に対して過剰な労働を強いるものであり失われる社会的コストははかり知れないはずである。その失われるコストを被害者に分配する制度を設ける方がもしかしたら効率的かもしれないのである。あるいは他にも方法があるかも知れない。「環境リスク学—不安の海の羅針盤」この本はそういう政策判断に必要な比較指標を作りリスクに対する的確な評価と判断をすることの必要性を教えてくれる。
著者からのコメント 以下アマゾンからの引用です
「 表題は「環境リスク学」で「学」という文字が入って」いますが、どちらかと言えば寝ころんで読める読み物です。「不安の海の羅針盤」という本の副題は、我ながらとても気に入っています。環境問題や安全問題で、どうしたらいいか、皆が不安に思えることについて、どの程度心配すべきかを判断し、それを基に行くべき道を探すことの助けになるものがリスク学だと思っています。 リスク評価の算出方法など、数学的なやや難しいことをこれまで書いてきましたが、この本では、むしろリスク評価というものの内面的なもの、私のこころの部分を書きました。
1章は、今年の3月に行われた最終講義です。講義の内容にほとんど手を加えず、ほぼそのままのかたちで収録しました。この講義草稿を準備する過程で、私にとって「ファクト(事実)」が如何に重要であったか、そして、それは、自分の生い立ち(父が共産党の思想闘争の中で敗れていく過程で育っていった)と深く関係していることを自覚しました。
しかし、リスク評価は未来予測ですから、いつまでもファクトに拘っていられないのです。そこをどうするか?これは私にとっての大きな課題です。ただ、これは私にとっての課題というだけではありません。実は、科学的方法論とか、合意のための方法論、ひいては国の政策や国際的な政策に関係する大きな、現代的な課題なのです。自分のリスク研究を辿る過程で、私は、今の科学や政治が抱える問題の構造をかなり理解できたように思いました。
また、この本の中で、リスク評価をする中での「悩み」と「迷い」について述べました。これは、2章のインタビューに対する答えの中で述べました。2章には、私がリスク評価を研究する過程で経験した小さな、私にとっては重要なエピソードがいっぱいでてきます。例えば、米国のベトナム退役軍人の裁判の話、佐藤オリエが出ていた映画「若者たち」の話、米国Oregon州での障害者差別論争など、私のリスク観形成過程の風景の記述と言っていいかもしれません。 3~5章は、様々なリスクについて、その時々私の書いたものです。環境ホルモン、狂牛病、ラドン、アフラトキシン、騒音、貧困、魚、電磁波、サルモネラ菌などです。
最後に、リスクとリスク不安について述べました。「不安」は人間にとって、危険を避けるために備わった才能だと思っています。しかし、これが過大になると、実態のない不安のために多大な資源を使うことになります。不安との上手なつきあい方、それが、リスク評価だと思っています。 」
2007/5/9 ishikawa
昨年の暮れにアエラに紹介されていて知った本。正月に読もうと思って暮れに本屋やアマゾンで探したが手に入らずでした。1月末になってアマゾンで在庫有りになったところで早速購入ししました・・・ところが届いた本は第1刷でした・・・。(余談ですが)ちなみにかつて「摩天楼」という映画にもなっています。
2段書き1030ページという長い小説を読み終えたばかりです。この小説に登場する建築家たちが直面する様々な問題や状況はわたしが15年あまり建築設計をして直面した問題と同質でありました。小説の主人公がとった行動は信じられないほど馬鹿げていていましたがそれは示唆に富み力強くもありました。
主人公が建築家ということでそうしても自分の問題と置き換えて考えてしまうのですが、特に独立してから非常に苦しんでいた問題にハッキリとした答えを与えてくれました。自分が建築する意志というか動機について考え違いをしていたことに気づかせてくれました。そしてそれは自分が学生の頃に抱いていた意志こそ大切なものであったことを気づかせてくれました。自分が社会に出てから受容してしてしまった悪い変化は自分の弱さが一番の原因であったように思います。(かなり自己嫌悪な気分になっています)失われた時間は取り戻せはしないが、まだこの職業を20年以上やることを思えば、いい本と出会えたことに感謝せねばなるまい。
そしてこのさきもっとマシな建築が創造できるように誰の為でもなく自分のために、あたりまえだけど
2007/3/12 ishikawa
「インフォーマル」は以前に一度紹介したことがありましたが、あらためて読んでとてもエキサイティングな本であった。
現在、伊東豊雄「新しいリアル」展が開催されており、セシル・バルモンドも伊東豊雄の台中のオペラハウスなどで協働していることもあって、あらためて「インフォーマル」を思い出し読み返してみた。
はじめて読んだときには、一つの考え方としてそれがどういう可能性を備えているのかハッキリ言ってよくわからなかったのだが、伊東豊雄展で試みられている「エマージンググリッド」と呼ばれる手法そのものが「インフォーマル」で「新しいリアル」展で伊東豊雄が目指している方向性こそ「インフォーマル」の可能性そのものではないかとリンクした瞬間に可能性に満ちたエキサイティングな概念に思えてきた。そして本書で紹介されているプロジェクトや概念が急激に一つの有効な未来に接続しているように感じてしまった。近代主義を超える一つの哲学として「インフォーマル」はますます輝きを増していくに違いない。
2006/11/22 ishikawa
この本の第1章「住宅は建築か」を読んで葛藤を覚える人は多いのではないだろうか?
そういう自分もその一人であって、いつも現実と理想の間で悩まされるからである。世の中にある住宅を設計している設計者のほとんどは、住人のライフスタイルをスタイリッシュにトレースしただけの住宅建築を設計しているだけであって、それが果たして建築家と言えるのだろうか?否であるという主張。(そんなに単純ではないが)この本で取り上げられている問題は学生の頃に出会った、八田利也の「小住宅万歳」を巡る建築家同士のエキサイティングな批評のやりとりから継続しており、なによりその著者のひとりからも直接そのいきさつについてご教授いただいたこともある。
独立して振り返ると、こうした知識と無関係に住宅の設計に携わっている自分に違和感を覚えながら今に至っている。
自分ももう少しやせ我慢して「住宅は芸術である」という故篠原一男氏をはじめ、その影響を受けたかつての「野武士」たちのように建築の射程として住宅を思考しなければ、と初心は何であったかと自らに問いかける1冊であった。
2006/11/13 ishikawa
10年前の特集ですが、氏が活躍した1930年代の乾式工法に関するテキストや「新住宅建築の問題」というテキストは当時の建築状況を知る上で興味深い。
意図されてた編集なのか不明であるが、土浦市の木造乾式工法とはテキストの中では鉄骨の乾式工法へのステップと位置づけられており、乾式工法模索の理由として当時のコンクリート造への不信感があったことが綴られているが、このSDの第2特集はスタジオ建築計画(元倉真琴氏)の今は解体されてしまったHOYAというRC造の乾式工法による工業化住宅の試みの特集である。本の編集自体は両者の乾式工法の関連について何も触れていないが、読者にとっては約半世紀の時を経て、両建築家の社会に対する眼差しに普遍的なテーマが受け継がれていることが感じられて興味深い。
2006/9/9 ishikawa
著者の文明論へのアプローチは理系的であり、文系の人々が考えるアプローチとは、ひと味違っていて面白しろかった。
地形やインフラデータの分析よって下記の目次にあるようなことが説得力を持って説明されており、いままで歴史的に不明であった部分も次々と謎解きがなされていく様子はエキサイティングであった。この本をネタに日本のダヴィンチコードが書かれてもおもしろそうである。
目次
東京徳川幕府百年の復讐(検証・皇居の正門は半蔵門
赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか
三河・矢作川の水争い)
北海道二千年遅れた「弥生時代」の到来—自由の大地が日本を救う
鎌倉なぜ頼朝は鎌倉に幕府を開いたか—権力が権威と分かれた時
新潟田植えは胸まで浸かるもの—幻の映像を求めて
京都・滋賀都市繁栄の絶対条件—人々が行き交うために
奈良千年の眠り—証明・交流軸と都市の盛衰
大阪(「五・十日」渋滞の謎を解く—商売の原点大阪
皮膚感覚の街—都市の原点大阪)
神戸都市の再開発が人々を救う—阪神淡路大震災の忘れ得ぬ遺産
広島最後の狩猟民族—日本人のアイデンティティはこうして形成された
福岡漂流する人々の終の列島—異常な巨大都市の誕生
特別編・遷都首都移転が避けられない時—やらざるを得なかった二つの遷都
特別編・ソウル目撃、文明の変換—清渓川の復元
2006/7/7
今年は作曲家武満徹の没10年である、「Visions in time」展も開催中である。
でも、なによりこの本が武満徹という人物を一番良く伝えている思う。
「音楽への愛と生活への愛をひとつに、のびのびと生きた彼の日々がよみがえる。音楽史のひとこまであるとともに、これはある幸せな夫婦の物語である。」谷川俊太郎
という帯がついていた。こういう人生っていいなぁと思える一冊であった。戦後の貧しい時や結核との闘病など辛さもあっただろうが、ただひたむきに音楽と向き合って生きた氏とそれを支えた婦人を本当に羨ましく思う。
2006/5/22 ishikawa
コールハースについて日本語で読めるまとまった本はこれがはじめてで、様々なジャンルから寄せられていて興味深い内容となっている。
わたしが学生の頃(90年はじめ)は、a+uでしか紹介されていなかったが、その時からその雑誌は売り切れで、大学で見ることも、ままならないほどの人気であった。当時、ダンスシアターやパリの国立図書館の案などをみて少なからずショックを受けたことを覚えている。
個人的には作品自体の情報は雑誌を通して入ってくるが、ではそれが社会的にどういう評価で受け取られているかは海外の作品ということもあって、わかりにくい建築家であった。そうした個人的な疑問を知ることが出来た一冊である。
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目次
序文
第1部
軌跡(Orbit)
レム・コールハース:モダニズムの氷山の内部にあるマンハッタンの炎——アーロン・ベツキー
多少の組み立てが必要です(ダイジェスト)——マイケル・ソーキン
ハンディキャップというアイデンティティ——H・J・A・ホフラント
プランとディテール:建築と都市の哲学(ダイジェスト)——ジャン・アタリ
やろうと思えば何でもできる——イアン・ブルマ
第2部
方法(Method)
C<AMO>UFLAGE:カムフラージュされたAMO——ニール・リッチ
不気味な建築(ダイジェスト)——アンソニー・ヴィドラー
モダニティの終焉:レム・コールハースによるエントロピーの言説——オクウィ・エンヴェゾー
未来都市(ダイジェスト)——フレドリック・ジェイムソン
Kの物語——マシュー・スタドラー
閾の世界、近代の経験と都市の公共性(ダイジェスト)——ルネ・ボームケンス
第3部
領域(Area)
レム・コールハースの生き残りの倫理:OMAの最初の住宅——バルト・フェルスハフェル
OMAのベルリン:都市における論駁の島(ダイジェスト)——フリッツ・ノイマイヤー
AMOの使用手引き——ブルース・スターリング
公開(ダイジェスト)——サラ・ホワイティング
レム・コールハース略歴
プロジェクト歴
執筆者紹介
あとがき
2005/10/25 ishikawa
1985年発行のこの本を最近あらためて読んだ。
あらためて読んでみると、以前読んだ記憶が殆どよみがえってこないので、ほとんどはじめて読んだのと同じである。
この本で面白いと思ったのは
芸能空間と観客との関係を「視軸」によって図式化することで、さまざま芸能の形式を分析していて、わかりやすく、その捉え方を基本として歴史的な劇場の発展についてもある程度理解できる点である。入門書としては最適な一冊なのではないだろうか。
さて発行をみると20年の時を経ているので、その後、劇場がどのような発展をしたのかについても追ってみる作業が必要で最新の劇場の傾向についても調べてみよう・・・・なにかいいナビゲートがあれば、コメント下さい。
目次
第一章 芸能空間論序説
1 はじめに
2 観ること、観られること
3 芸能空間の基本形
4 視軸
5 芸能空間の異化と同化
6 芸能空間の複合型
7 二重の正面性
8 二重の正面性の同化
9 横から観ること、或いは視軸の三角形
10 観客の意識による芸能空間の変容
第二章
1 ギリシャ劇場とローマ劇場
2 聖史劇の宇宙
3 ルネサンス
4 バロック劇場の成立と解体
5 近代プロセニアムステージの完成とオープンステージの挑戦
6 近代劇場の解体と重複的劇場空間の芽生え
205/5/30 ishikawa
「潜在自然植生」と「宮脇昭」をご存じだろうか、テレビでも度々紹介されており日本中で植樹祭をしているのでご存じの方も多いのではないだろうか?
写真はNHKで最近放送された「知るを楽しむ」の6月7月放送のテキストである。わたしは宮脇昭とうう名をはじめて聞いたのは、石川県の加賀市の仕事に携わった際に、市の職員から加賀市の植生を調べた資料をいただいた時であった。2年以上前である。
「潜在自然植生」とはその土地本来の植生のことで、宮脇氏の調査によれば国土の0.06%しか残っていない。もともと日本では常緑の広葉樹林で、タブノキ、シロダモ、ヤブツバキ、マサキなどが自生していた。また海抜800Mから1600Mくらいまでの山地や北海道の黒松内低地から南では落葉広葉樹のブナが主木であであったらしい。
わたしもたまに地方の列車にゆられていると、針葉樹林が植えられた山地を見かけるがそれは殆ど林業のための売れる木、杉、檜、などを植林が多く、日本の自然風景と思っていたがとんだ勘違いであった。神社などにある鎮守の森のタブやスダジイこそ日本の森の風景なのであった。(詳しくは本を読んでいただいた方が良いと思う。)
最近の環境問題に触れて少しだけ感じ入った点いくつか
まず「潜在自然植生」の森は災害に強いと言うことである、それは根が垂直に下に深く伸びる性質であるため、土砂崩れしない、また火災においては水分を多く含むこの種類の木は火事に強いということである。「関東大震災」でも火事による被害は甚大であったらしいが、昔からの鎮守の森など「潜在自然植生」のある場所に逃げ込んだ人はことごとく助かったらしい。しかしその研究が震災後なされたにもかかわらず、阪神大震災では活かされず、東京の都市計画にも活かされていいないと宮脇氏は指摘している。
もう一点は昨年からクマの出没のニュースが賑わしたが、杉や檜などの針葉樹林では森の動物の食べ物がないのである。広葉樹が落とすドングリは森の生き物の貴重な植物なのである。しかも外国産の木に押されて売れない針葉樹林はメンテナンスも大変であるが「潜在自然植生」の森はメンテナンスが必要ない。そしてなによりもともと日本に多くなかった杉の大量な植樹が杉花粉アレルギーをおこしているのではの指摘もしている。(こう聞くとわたしの中ではもう杉の森は公害をだす工場とさほど変わらない印象になってしまった。)わたしは森の専門家ではないが宮脇氏の指摘には大いに納得できるように思う。
この本を通じて、森や地球環境のことをすこし考えさせられるのだが、しかしながら一番感じ入ったのは実は「宮脇昭」という人物にである。とにかくもの凄いエネルギーと情熱で自分の理想を追求し、行動した人物も希であると思う。物事をやり遂げるそのパワーこそ若い世代に計り知れぬ影響を与えるのではないだろうか。テレビで見た宮脇氏は眼光鋭い頑固親父という印象であった。この本とテレビからこの人の強い人物像がビンビン伝わってきた。
205/8/29 ishikawa
地球環境持続の為に技術でなにが可能であるかわかりやすく解説されている。
以前紹介した養老先生の本が環境問題の政治的な側面を照らしているのに対し本書は技術的な側面を照らしている。
それにしても、この本で予測されている未来は暗く少し恐怖を覚える。(温暖化による水位の上昇は徐々に進行し温暖化が納まったとしてもすぐには水位の上昇が止まるわけではないらしい)2050年にどうなっているかがひとつのターニングポイントであるらしい。もう生きていないかも知れないが、わずか44年後である。ちなみに建築設計にヒントとなる技術も多数紹介されているが、いまのところ断熱をよくすることが環境負荷には一番効果的である。
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目次
第1章地球は持続できるか
第2章エネルギーを知る
第3章省エネルギーはどこまで可能か
第4章「日々のくらし」の省エネ技術
第5章「ものづくり」とリサイクル
第6章自然エネルギーの導入
第7章地球を持続させるために
第8章技術は社会とどう向き合うか
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2005/5/24 ishikawa
新建築社から出版されているので、はじめてでない原稿も多くやや飛ばしながら読みすすめました。
本の印象と言うよりとても個人的なショックはA・レーモンドが東京大空襲の作戦に協力していたという事実でした。こういう話はやはりこの年代の人が残してくれないとわからないことで、少し前のA・レーモンドのブームや戦後の仕事ぶりなどからしても、やはり日本人はお人好しな民族なのかもしれない。
ほかにも
戦後の建築界の流れがその世代を生きた人の証言として、記されていて興味深い内容であった。それと組織建築家としての生き様というか考え方などもやはり個人の建築家との違いを明確にしているあたりも興味深く、もし学生の頃読んでいたらまた違った道筋を目指ざすことを考えたかもしれないなと思ってしまった。
建築の仕事に携わるには、アトリエ系、組織事務所、ゼネコン等の選択肢があるが、組織事務所に興味ある人は是非読んで貰いたい本であり、わたし自身もまた違う視点を得られたような気がする。とても興味深く読ませていただいた。感謝。
2012/5/10 ishikawa
建築設計に携わってると、設計時に頭で考えていた図面が工事現場でこんなにエネルギーを消費する一大イベントということに毎回驚く。(恥ずかしながら)環境の事を考えたら建築などしないことが一番だという原理主義に陥りたくなる気持ちもとてもよくわかる。
建築設計に関わる身としては、これから環境問題は避けては通れない問題であり、実際に最近は建材や設計条件にも「環境に配慮した○○」というのが氾濫している。しかしそれらが本当に環境にいいのかどうかなんて誰にもわからない・・・と思う。「環境に配慮した○○」というのは、経済活動を止めるわけに行かず前に進まなければならないことの、いいわけがほとんどではないだろうか?
本の帯に書かれた「都市という頭、田舎という身体」。死にたくなくとも人は必ず死ぬ。意識と身体が乖離した結果が今の環境問題の一因であるということである。
何を言ってるかわからないと思うので、是非この本や養老先生の他の著書を読んで貰いたい。(なかなか要約するのは難しい)
2005/5/12 ishikawa
大変興味深い視点である。恐れながらわたしの解釈では、夢と現実は、無意識と意識と読み替えることができ、人間の精神(意識と無意識を含む)を構成していると言える。ならば夢の無意識空間体験と現実空間体験とで人間の空間体験を読み解くことができ、それが理解されることで建築にあらたな地平を開くことができるという視点で書かれている。ちなみに著者はいわずと知れた建築計画という学問を切り開いたパイオニアである。
2004/7/1 ishikawa
文庫版で再版されたこの本をひさしぶりに手に取った。再び新鮮な気持ちで見ることが出来た。個人的な感情かもしれないが、中学や高校の時に漫画やテレビなどに描かれていた大学生活、社会人生活への憧れの感情がこみあげて、とてもノスタルジーな気分にさせる。松田優作の刑事ものや中村雅俊の先生ものドラマで皆こんな狭くて汚い部屋だけど、なにか見たことがないアイテムが部屋の中にあって、憧れてみたものだった。
2004/6/29 ishikawa
サイレント・ガーデン—滞院報告・キャロティンの祭典 / 新潮社 / 武満 徹
これはわたしが世界一美しいと思う本である。 武満徹の最後の滞院生活の日記とその時にスケッチし娘に残したレシピ集である。 生と死の対比というと安易だが、その果てに限りない愛情を感じる本である。
バッハの「マタイ受難曲」は武満徹が新しい仕事を始める前に儀式のように聞いていたそうだが、病院で最後にラジオで聴いたのも偶然にもこの曲だったそうである。神はいるのですね。
尊敬する偉大な芸術家を真似てわたしも新たな仕事にかかるときには、この曲を聴くようになりました。
2004/6/27 ishikawa
世界一美しい本と思います。僕の人にすすめる一番の本です。
2015/1/25 加筆 ishikawa
このドキュメントには現代社会を生きる建築家のひとつの未来像とその真実が天才を通じて明らかにされています。コールハース率いるOMAは世界を転戦しスピードの限界を極めるFIティームのような組織ではないでしょうか? キネティックエリートって言葉知っていますか?世界中を飛び回って仕事をするエリート層のことのようです。憧れますね。
2004/6/27 ishikawa
dpaはUNHCR協会を通じ難民などの支援をしています
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