01・SOLARIS「惑星ソラリス」と「ソラリス」
02・摩天楼
監督:キング・ヴィダー
03・TIME 「絶対の愛」
監督:キム・ギドク
04・The Passenger
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
05・麦の穂を揺らす風
監督:ケン・ローチ
06・「PINNIC」と「UNDO」
監督:岩井俊二
07・tokyo・sora
監督:石川寛
08・なごり雪
監督:大林宣彦
09・弓
監督:キム・ギドク
20・太陽 The Sun
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
21・ザ・コーポレーション
監督:マイケル・ムーア他
22・パク・チャヌク リベンジ・トリロジー
「復讐者に憐れみを」
「オールド・ボーイ」
「親切なクムジャさん」
23・コースト・ガード
監督:キム・ギドク
24・受取人不明
監督:キム・ギドク
25・うつせみ 3-iron
監督:キム・ギドク
26・The isle 魚と寝る女
監督:キム・ギドク
27・キム・ギドクの世界
〜野生もしくは贖罪の山羊
28・Bad guy 悪い男
監督:キム・ギドク
29・Oasis オアシス
監督:イ・チャンドン
30・モーターサイクル・ダイアリーズ
監督:ウォルター・サレス
31・裏窓 Rear Window
監督:アルフレッド・ヒッチコック
32・初恋・地獄篇
監督:羽仁進
33・BLOW UP 欲望
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
34・サマリア
監督:キム・ギドク
35・海を飛ぶ夢
監督:アレハンドロ・アメナーバル
36・砂の器
監督:野村芳太郎
37・Ray/レイ
監督:テイラー・ハックフォード
38・珈琲時光
監督:侯孝賢
39・みんなの家
監督:三谷幸喜
40・「ゴッド・ファーザー」
マーロンブランド死す
監督:フランシス・コッポラ
41・アンドレイ・ルブリョフ
監督:アンドレイ・タルコフスキー
邦題でいえば「惑星ソラリス」はタルコフスキー監督で「ソラリス」はソダーバーグ監督ということになる、30年の時を経て作られた「SOLARIS」だが最近まで未見で気になっていたソダーバーグ監督の「ソラリス」を見た。「惑星ソラリス」はタルコフスキーは1972年公開と記録されている。わたしがこの映画をはじめて観たのは2003年頃だったのだが強い衝撃を受けた記憶がある。それは単なるSF映画ではなく見るものに人間の存在を激しく抉りとって突きつけてくる。映画はご存じの方も多いと思うが惑星ソラリスの磁場によって否応なく潜在意識が作り出すコピー人間があらわれ宇宙ステーションのクルーたちを悩ませるといった内容で、これは自らの意識が可視化されることで人が自意識やアイデンティティから逃れることが出来ないというアイロニーとその作り出されたコピー人間(死んだ妻であったり地球に残した孫や兄であったりするのだが)が人間ではないのにもつ人間らしい心にを感じることなどを通して、人を人たらしめるものとは、つまり人間の存在とは如何なるものかという再定義を突きつけてくるのである。映像は無機的でドーナツ上の宇宙ステーション(先行きがカーブしていて見通しがきかない)の閉塞感がテーマを助長していてバッハのテーマ曲も人間の宗教的で根源的なテーマをあつかっていることを暗示させる。
一方
「ソラリス」はハリウッドで製作された映画で「sexと嘘とビデオテープ」でパルムドールを獲得しているソダーバーグ監督による。ハッキリってこちらは単なるSF恋愛映画でオリジナルのような重みを感じるメッセージはなく、ソダーバーグが何の為に撮ったのだろうと思わせるお粗末な内容であった。ただ全体の映像の雰囲気は同監督の「カフカ」と同質の雰囲気を醸し出していてなかなかよかった。でもやっぱりジョージ・クルーニーはミスキャストと思う。
比較するにはハリウッド版があまりにお粗末であったが、あらためてタルコフスキーの映画が30年以上の時を経ても色褪せないことを再認識し敬服するばかりであった。
2007/5/18
「水源」の映画版です。翻訳がヒットしたおかげでDVD化されたと思われます。
1000ページを超える小説をわずか2時間足らずの映画にしているのでかなり簡略化されています。それはいいとして、主人公役のゲーリー・クーパーの年齢と小説の主人公の年齢が明らかにかけ離れていて残念。小説では主人公の若さと力強さがその理想を実現していく勢いが感じられたのですが、映画の中のゲーリー・クーパーはどう見ても60才くらいの老成した建築家という風情でした。
さらに建築家の目でみると、主人公のデザインするモダンな建築もダメダメでしたが、そのあたりは映画ではどうしても具体的になりすぎてしまって、このての映画の難しさが露呈しています。
結論から言うと小説を読んだ人は特に見る必要のない映画です。映画だけ観た人は是非とも原作を。
2007/4/10 ishikawa
TIME 邦題「絶対の愛」
監督:キム・ギドク
キャスト:ソン・ヒョナ、ハ・ジョンウ、パク・チヨン、杉野希妃(ソ・ヨンファ)
渋谷のユーロスペースで鑑賞
韓国は整形手術大国である。最近では日本からもツアーがあるらしいのだが、そんなお国柄から発想されたのが、この映画である。
顔は個人の属性として人格の形成に大きく影響を与えている。整形して別人となった人間は、その属性から逃れることができるのであるが、はたしてその人間のアイデンティティーに支障を来すことにならないだろうか?そしていつまでも出会った頃のような気持ちになるために、整形によって恋人と新しい恋を始めること、つまり整形によって時間を巻き戻すことが果たして出来るのだろうか?そんな問いかけをこの映画は投げかけている。
「それ、わたしが直しておきます」 2度言われるこの台詞の意味を映画でご覧頂きたい。
いつもながら低予算でとられた作品で、他の監督の作品ならば素人くさい美術や演出に見えてしまうような場面も不思議とこの監督の作風となっている。そして今回のキム・ギドク作品で特筆すべきはソン・ヒョナの迫真の演技でした。本当に迫力がありました。「スカーレット・レター」の時から気になっていましたが、この映画が最高でした。
それにしてもどうしてキム・ギドク作品は本国では不人気なのでしょう、理解できません。
2007/3/19 ishikawa
この映画は久しぶりに痺れました。大好きな映画になりました。
《監督》 ミケランジェロ・アントニオーニ
《製作》 カルロ・ポンティ
《脚本》 マーク・ペプロー、ミケランジェロ・アントニオーニ
《出演》 ジャック・ニコルソン、マリア・シュナイダー ほか
暮れにアマゾンのDVDバーゲンを何となく見ていたら、この作品がなんと800円くらいで売られていました。その他に名画と言われいままでDVD化されていなかった作品が沢山ありました。推察するに500円DVDの影響もあるのではないかと。著作権切れになって500円で売られる前にそれよりやや高い値段で普及させてしまおうという狙いが感じられます。もちろん買い込みました。・・・・余談ですが。
【物語】アマゾンより
イギリスのトップ新聞記者であり、テレビ・レポーターのデイヴィッド・ロック(ジャック・ニコルソン)は北アフリカの砂漠にいた。彼はホテルの隣室にいた自分に瓜ふたつの男ロバートソンの死を目撃したことによって、順調に運んでいた仕事、愛する妻レーチェル(ジェニー・ラナクレー)と築いた家庭を棄てる決心をした。今までのすべてを棄て、新しい人生、つまりロバートソンの人生を生きようと決めたのだ。ロバートソンの死体を自分の部屋に運び、パスポートの写真を貼りかえると、一旦ロンドンに戻ることにした・・・。偶然のなり行きから、仕事と家庭を棄てて他人になりきろうとしたテレビ・レポーターの行動を描く。」アマゾンより
アントニオー二の作品のなかで一番痺れました。ストーリーといい、ロケといい、ラストの長回しのカメラワークといい最高でした。
デザインを扱うブログとして注記しておくと、バルセロナのロケでガウディの作品がいくつか登場します。そして主人公と逃避行するマリア・シュナイダーは建築を学ぶ学生という設定になってることです。なぜこの映画の中で彼女が建築を学ぶ学生かは考えてみる価値があるかもしれません。またガウディの作品もロケでは印象的なのですが彼らが逃避行する先々で宿泊するホテルもまた印象的でした。
アントニオー二の作品を観るのはこれが4作目なのですが、どれも好みの映画でした。なにが好みかといえば、映画の間合いでしょう、台詞が少なく台詞の合間の映像とその周辺から聞こえてくる音、そこだけ観ればただの日常的な場面に見えるだけの映像を映画に意図的に挿入している、その間合いがとても好みである、そしていつも真実こそ不条理である、と静かに語りかけてくるである。
この映画の有名な長回しこそアントニオー二の映画の本質と言えるのではないだろうか。
最高の作品でした。
2007/1/24 ishikawa
THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY
新年一発目は映画です。見たのは暮れですが。
20世紀初頭、イギリス支配下にあったアイルランドの独立の苦悩を描いた作品である。母国の土地を支配され外国人に弾圧される悲劇は簡単に語れるものではないが、自由を奪われ、母国語を奪われ、肉親を奪われ、独立を勝ち取ったと思った先に内乱となった歴史は、事の背景が異なるが、朝鮮半島の悲劇と重ねて見てしまった。そしてこのイギリス人を徹底的に悪として描いた作品がイギリス人のケン・ローチの手によってつくられた事実も驚きである。未見であるが、イーストウッドの「硫黄島からの手紙」もアメリカ人の手によるものである。ともに戦勝国の国籍であるが監督が敗戦国の視線で描いた作品である点で懐の深さを感じる。日本人の監督によって朝鮮併合や満州建国の悲劇が描かれる日がいつかくるのであろうかと思いを馳せてみたりした。
「ひとりの死は悲劇であるが、多数の死は統計である」
ある有名な芸術家の言葉であるが、教室で歴史の教科書で習う戦争もリアリティを感じることが出来ない。戦争の事実(悲劇)を伝えるには、映画のほうが多くを語ってくれる。しかし東京では暮れに3館しか上映しておらす、そのうち終日上映していたのは1館のみであったのは大変残念であった。
ちなみに「麦の穂を揺らす風」とはアイルランドの伝統歌でイギリス支配への抵抗を歌っている。歌からタイトルを借用したそうである。弾圧により命を落としたり、戦争で逝ったものを弔う時に、よく歌われたという。哀愁のあるメロディである。
2007/1/17 ishikawa
岩井俊二の代表作。ふたつ。たぶん。
結論から言うと。面白かった。
「picnic」
精神病院を脱走し塀の上をpicnicする3人の若者の物語。塀の上とは社会の境界線の隠喩となっている。塀の上しか歩くことが出来ない3人は、一般社会に属することが出来ないことを意味している。しかしその塀の上から見える風景は下から想像もつかないほど、開放的な世界が広がっているのである。物語は精神異常をきたしたトラウマを振り払うがごとく、主人公のひとり「つむじ」がどんどん先へと求めるように塀をとだって歩いていく。
この作品はゴダールとアントニオー二へのオマージュなのではないだろうか。「気狂いピエロ」「Blow up」を思い描かせる場面が故意に挿入されていることがわかる場面がある。しかし作品自体は巨匠二人の作品とは全く異なる質を備えている。チャラが塀の上を走る場面のカメラワークは印象的で忘れられない映像でした。
この作品を岩井俊二の最高傑作とするファンも多いのも頷ける良い作品でした。
「undo」
これはもう山口智子ための作品といってもいい。強迫性緊縛症群という病気にかかった妻と夫の物語。映画のはじめ一見普通の夫婦に描かれているように見える二人。夫は妻に気遣いマンションで禁止されている犬の変わりにカメを二匹買ってくる。そういう気遣いのあるよい夫なのだが、映画は次第に妻が退屈している様子を描きだしていく、そしてリンゴを縛り、カメを縛り、夫の本を縛り・・・編み物をしている自分の指を縛り・・とエスカレートしていく。
誰にでもおそらくこの映画のように縛られたい願望というのは人間の本性としてあるのではないだろうか。特に都会のように人と人の関係が希薄になった現代では。何かに縛られていないと不安になるのではないだろうか。
映画の最後近く、豊川悦司にがんじがらめに縛られた山口智子の美しい姿、それとは裏腹な台詞。
「もっとちゃんと縛ってよ」
随分前の映画なので見た人には、今更なのだろうが、当時、岩井俊二が注目されたこととてもよくわかる尖った2本でした。
2006/12/25 ishikawa
タイトルが気になっていつか見てみようと思っていた。東京に生活する独身ひとり暮らしの女性6人のひとりひとりの生活を描いた作品。6人の女性はいずれも他人であり、それぞれの生活中で互いに微妙な距離感を保ちながら、独立した物語として描かれている。映画のラスト近くでその均衡が一度だけ破れるシーンがあって、二人の女性が意気投合し飲み明かし、早朝の東京を二人で走り出すシーン、絶望を共有した二人が夜明けに走り、やがて汗に濡れた服を脱ぎすててゆく、絶望から解放されたかのように走り続けていく。とにかく、このシーンだけがとても印象的で、その他のシーンは抑揚がなくただただ日常が過ぎていくだけの映画である。東京を走った女性のひとりが翌日、死んでしまう。そしてもうひとりもリストカットしていた。救いのない痛い映画で終わるのかとおもいきや、ラストシーンでお隣さんにお裾分けを持って行くシーンで終わるあたりがちょっとほのぼのしていてハッピーエンドっぽいのがね・・・・・。映像としては逆光のシーンが多いのと透明感のある影のない映像、どこかで見たみたような・・・というか岩井俊二の少女系の作品の映像、間合い、美しい音楽も、かなり影響を受けているように思う。面白くもつまらなくもない・・星3つ半。(5つが満点)
2006/12/22
「なごり雪」というイルカが歌う曲に出会ったたのはきっと小学生の頃で、それ以来良い曲だなと聞くたびに思っていた。この映画の「なごり雪」は作詞作曲者である伊勢正三が歌う「なごり雪」をテーマにしていて、それ自体が映画のテーマとなっている。
この映画に登場する主人公は50歳になるので、わたしとは一世代違いがあるが、10年後を想像させるに充分な内容の映画であった。映画は古里を離れずそこを大切に生きてきた友と古里を離れて東京で生活をしてきた主人公の物語で、団塊の世代よりやや下の日本の高度成長を支えてきた世代の二つ人生を大分の臼杵という場所を舞台に描いている。
全体の印象は、重苦しく寂しい映画であった。
なにか、とても今の自分にシンクロしてしまい見終わってしばし感慨に耽りました。
あまり大林監督の映画は観たことなかったのですが・・「転校生」以来二つめですが、「転校生」も好きでしたがこの作品もいい映画でした。
振り返ると人生って早いものだなと普通に言える世代になってきたこと、死に向かって生きているのだと感じさせる一本でした。
2006/12/8 ishikawa
「ぴんと張った糸には強さと美しい音色がある。死ぬまで弓のように生きていきたい/キム・ギドク12番目の作品」
渋谷のル・シネマで観てきました。韓国映画である。
カタログの解説によると、日本の「刀剣」に美と精神性があるように、韓国では「弓」がそれにかわるものなのだそうだ。その昔、中国からみて「東の未開地」であった朝鮮半は「東夷」と呼ばれ、この「夷」はもともと「弓」と「大」合わさった文字である。そうした弓のような強さをもった土地の伝統の上に儒教がひろまり、儒教こそは弓を大事な修養の一つとして重視する思想なのである。
この映画はそうした韓国の伝統を背景にしながら、設定こそ現代であるが、神話のような物語に仕上がっている。物語の設定は船上で二人で暮らす、少女と初老の老人の物語である。少女は7歳の時から船上で老人と暮らしはじめ、まもなく17歳となる誕生日に老人と結婚する予定になっている。老人は船上で釣り客に提供することで生計を立てており、唯一世界とつながっている。ある日、そこに若い釣り客がやってきて、少女の心を奪ってしまう。そこから老人と少女と若者の闘いとなるのであるが・・・・・。
いつもながら唐突な場面設定と展開にはやや違和感を感じるが、クライマックスの衝撃的ともいえるファンタジーは「弓」というコンセプトが浮かび上がらせていて見事としか言いようがない。前作「うつせみ」と共通してコンセプトを日常ではあり得ないようなファンタジーをもって集約していくシナリオは世界でも唯一の個性のある映画監督として認められつつあるのではないだろうか。この映画が韓国で1週間で打ち切りになることは大変不幸なことで、新作「タイム」も欧州各国配給が決まっているのに韓国では当初配給不能であったとは、とても信じられない。
今までもこの監督の映画は韓国では興行的に不幸な状況であった、そうした母国での扱いと欧州における高い評価との葛藤がこの映画最後に映し出されるメッセージとなっていると感ぜずにはいられない。
「ぴんと張った糸には強さと美しい音色がある。死ぬまで弓のように生きていきたい/キム・ギドク12番目の作品」
2006/9/22 ishikawa
アレクサンドル ソクーロフ, Aleksander Sokurov
ソクーロフの「太陽」を新宿ジョイシネマで観てきました。雨の祝日9時半スタートということもあって、300名くらいの入ると思われる客席は2割程度といったところでした。ご存じの通り「太陽」は昭和天皇ヒロヒトを第二次大戦の終戦前後を描いた作品である。映画は、皇居地下での天皇の生活の様子、終戦を決断する御前会議、海洋生物の研究、そして議事録が残っていないとされる、マッカーサーとの夕食でのやりとり、そして人間宣言する前夜の様子などを描いている。昨今「靖国問題」によって再び第二次大戦の戦争責任について国内でにわかに論争起きている中にあって、この映画の意味するところは奥深いと感じる。それは史実を読むだけでは理解不能な、昭和天皇とその周辺の雰囲気というものがスクリーンから伝わってくるからである。私自身は戦後の昭和43年生まれで昭和天皇の姿と言えば、正月と天皇誕生日の一般参賀くらいしか思い描けず、学校では天皇は「国の象徴」という事以外は一切教わらす、周辺もなにやら天皇について語るのを避けている様子であるし、青年の頃になるとそれがなんとなく黒ずくしの大ボリュームで街を回遊する車の団体へと結びついているのだと知るようになる。おそらくそうした認識をもつ国民が我々の世代前後では圧倒的多数なのではないだろうか。そうした戦後の時代に意図せず隠蔽された何かをこの映画は伝えていることは確かである。個人的なつまらない感想はこのあたりにしてネット上でいい批評を見つけたのでリンクしておきます。「君臨すれども統治せず」これがキーワードであります。
2006/9/19 ishikawa
企業をテーマにしたドキュメンタリー。というと簡単ですが企業を人にたとえると日本語で言えば法人になるのですが、精神分析をすればサイコパスつまり精神異常であって、その精神異常者が20世紀を支配してきた・・・・・。コカコーラやIBMなど数多くのアメリカ企業がナチスドイツで商売をし利益を上げていた事実、特にIBMのシステムがユダヤの強制収容所の管理システムとして採用されていたことを詳細に取材している。マイケルムーアの 「華氏 911」「ボーリング・フォー・コロバイン」 でも企業が社会に与える影響を訴えていたており、今のアメリカ政権と企業との結びつきは世界中が知っていることであるが、いまなお世界中で戦争やテロを止めることが出来ないのはなぜだろうか。この映画では最後に、ホンジュラスの市民活動の話やカーペットで有名なインターフェイスのCEOの持続可能な企業活動へのシフトの話など21世紀に向けて前向きな話題でドキュメンタリーを締めくくっている。さて、振り返って我々の問題として、設計業界も積極的に持続可能な社会へと貢献するために何をすべきか、そして個々の設計者が何を考えるべきかを考えさせられる。それにしても、こんな内容のドキュメンタリーを配給できるアメリカ社会は奥深い。
2006/8/17 ishikawa
夏休み前ということでお薦めのDVDを
パク・チャヌク リベンジ・トリロジー
復讐3部作
復讐にとり憑かれた者達の物語。
「復讐者に憐れみを」
この映画の復讐者は3作中もっとも身近で一歩間違えば誰もが当事者になり得る存在で見る側が自己投影しやすい。病気の姉をもち聴覚障害者であり工場を解雇された者。娘を誘拐され殺された者。同情的な境遇をもつ二人の復讐の顛末が描かれている。
3作中もっとも構成がシンプルで飾りが無い映画であるが、それだけにリアリティがある。この作品の俳優達が次作、次々作へと役所を替えて出演していくあたりも3部作の見どころでもある。
「オールド・ボーイ」
おそらく前作の興行的な失敗を意識して3作中エンターテイメントを最も意識して撮影された映画である。また日本のマンガが原作であることで有名。
復讐者は3作中もっとも特異な存在であり、まさかここまでのスケールの大きな復讐劇を仕込む奴がいるなんてと思わせる程、執念深い奴である。しかも復讐される側の本人はその相手の存在すら忘れているのだから。
この物語は些細な言動が知らないうちに相手を深く傷つけたり、あるいは本人に悪気はなくともその周囲の悪意によってその言動が助長され取り返しのつかないことに発展することをある意味ホラーとして描き、おそらくは監督自身が普段悩まされているマスメディアに対する社会批評が含まれていると感じた。映画はスピード感に溢れ壮絶な世界へ見る者を引き込む、見た後には誰もが疲労感を感じるはずだ。
3作中最も質の高い作品に仕上がっていると思う、カメラワーク、美術、音楽、シナリオ、俳優の演技とどれをとっても韓国映画の質の高さを感じる1作である。カンヌのグランプリも獲得している。ホスト役であったタランティーノはこの映画のある場面で号泣したと言う。
「親切なクムジャさん」
「宮廷女官 チャングムの誓い」 のイ・ヨンエ主演で話題となった作品。イ・ヨンエはこの映画で親切で天使のようなクムジャと赤いシャドウをし残忍な復讐をする冷徹なクムジャを演じ分けている、この対比が映画のキーコンセプトになっている。
復讐者は前2作に比較すると復讐の動機が弱いのが特徴である。自分が誘拐を手伝ったことで殺された子供とその罪を自分の子供が人質に取られれたことで全ての罪をかぶることで、真犯人がその後も子供を犠牲にする。そうした自分の過ちを子供たちの両親に対する贖罪することが彼女の復讐の動機となっている。3作中もっとも純真な心の持ち主と言える。
物語は贖罪する事で魂の救済を求めるクムジャの苦悩の物語といえる。しかし復讐を遂げてなお魂の救済を得ることができない切ない物語でもある。雪が降る夜道で純白のケーキに頭を突っ込みむさぼるラストシーンがとても切ない。
イ・ヨンエは罪深く醜い内面をもち苦悩する姿が、その純真な美しいルックスとコントラストとなり他に出演したドラマや映画にまして美しく見えるのである・・・・ファンになりました。
韓国盤のサントラお薦めです。
2006/8/10 ishikawa
受取人不明につづきキム・ギドク監督の映画。
受取人不明も心に痛い映画であったがこちらも同じように痛い映画である。
北からのスパイを警戒して海岸線を警備している海兵隊を主人公とした映画。海岸線は夜には立ち入り禁止区域となり、そこに侵入したものはスパイと見なされ射殺されてしまう。
この映画の主人公は夜、酒によった民間人である恋人同士が立ち入り禁止区域に入り戯れていたところをスパイと思いその一方を(男性)射殺する。
そこから、様々な問題が照らし出されていく。
民間人の住んでいる地域と海兵隊の摩擦は恋人を殺され気がふれてしまう女性を象徴として様々な事件が起こる。また民間人を射殺した海兵隊員もまた精神を病み次第に狂気となっていく。
韓国の経済が高度成長しソウルでは日本のバブルの頃のように人々が浮かれているのも韓国の真実であるが、北からの侵入者を警備するための軍隊もまた韓国の現実で、あまりに乖離した現実の対比がラストシーンに描かれている。映画の冒頭で流れるもの悲しく、たそがれた音楽が印象的であった。
そういえばここのところ竹島の騒動のニュースをみていたら韓国の船の横腹にCOAST GUARDと書かれていた。
2006/4/23 ishikawa
2001年キム・ギドク監督作品
1970年代の韓国の米軍基地の田舎町を舞台にしている。物語は黒人混血児、片目が見えない少女、いじめを受ける小心な青年の3人の若者の希望と絶望を描いている。
かなり特殊な舞台設定であるが監督自身の体験にもとづいた物語で70%くらいは事実であるという。
Address Unknown とは黒人混血児の青年チャンチグの娼婦であった母が自分をいつか迎えに来ると信じてアメリカに手紙を出すのだが、いつも「Address Unknown」というスタンプが押されて帰ってくるところからとられている。
物語は救いがなくただただ悲しく寂しい物語である。
監督は韓国人をただ被害者として描いているわけではなく、韓国に駐留する米軍にも苦悩があるということも描かれている。そして米軍という異文化との絡み合いや矛盾が次第に互いの人生に絡み合いながら転落して行く様を淡々と描いていて、こうした悲劇を美しい映像が際だたせている。
2006/4/19 ishikawa
「うつせみ」
「せみのぬけがら。そのように、この世はたよりなくはかないということ。現世あるいは、現世の人の意で、「世」「命」「かわれる身」「人」「むなし」などにかかる枕詞。源氏物語の巻名。第三帖。」
3月に公開されると聴いていて楽しみにしていたのだが、日本では「空家」で雑誌などには紹介されていて「うつせみ」という日本語タイトルになるとは直前までしらなかった。上記はプログラムから引用した。このタイトルは映画によく似合っている。
キム・ギドク監督作品で昨年の公開だが日本では初演である。恵比寿のガーデンシネマで初日、初演で見てきました。1週間のみ公開の割に空いていて、日本ではまだこの監督はあまり知られていないのでなとあらためて感じ少し残念。
映画は留守宅に侵入しては住人が戻るまでのつかの間のあいだを過ごす日常を送っている青年と、ある日青年が侵入した家にいた孤独で不幸な美人妻が出会い、そこからふたりの奇妙な逃避行がはじまるというストーリーである。そして主人公ふたりは一切言葉を交わさないままというのが演出のポイントである。
・・・・
独創的な設定と突飛な展開はさすがで面白かった。でもひとによっては突飛すぎてややぎこちなさや、雑な感じがするのではないだろうか、またラストに主人公の青年が身につける術はややビミューという感じがしたが、西洋人に東洋の神秘としてうけいれられたのだろうか?ヴェネチアで評価受けるにはややチープな感じもしたが・・・。それともユーモアとして評価されたのだろうか?
これで
「魚と寝る女」「悪い男」「春夏秋冬そして春」「サマリア」につづきこの監督の映画を5本見た。ドラマの設定が実に多才で器用な印象であるが、やはりはじめに見た「サマリア」がいまのところ一番良くできていたように思う。
この作品に関しては星4つ。(最高は5つ)
2006/3/5
99年キム・ギドク監督作品
the isle とは孤島という意味である。邦題は意味不明。
とにかく美しい湖上の映像と対比して醜い人間の欲望や罪が照らし出されている。この監督はよく「人生は美しい」とインタビューで応えているが、映画のストーリーやそこに登場する人物はクズのような最低でどうしようもない社会的底辺に属するひとたちで、この映画も例外ではない、そういう醜い部分も含めて生きている人間の人生こそ美しいのものである訴えているのだろう。
この映画もそうした底辺にある人間を描いている、表現は過激で痛い場面が多くあるが全体的には優しい眼差しと美しい映像によって「美しい人生」を表現している。
湖上の釣り宿にふたりきり逃避行するラストシーンは特に美しい、個人的にはここで終わって欲しかったがラストにもうワンシーンある。女管理人役のソ・ジョンは特に美しく魅力的である。
2006/2/5 ishikawa
「サマリア」「悪い男」とブログで紹介し「魚と寝る女」「春夏秋冬・・・そして春」と既に手許あるのだが、先にこの本を読んでいる。この本は映画監督キム・ギドクのエッセイと彼を理解する少ない映画評論家ソン・チョンイルの評論、インタービューによって構成されている。本のサブタイトルになっている「野生もしくは贖罪の山羊」という意味が少し理解できたがやはりキリスト教を知ることでこの監督の映画の理解はより深まることを知った。映画監督のことなので作品を見ることが一番であるが、映画の背景にある監督自身の思想の背景を解くためにこの本は役に立つだろう。
2006/1/30 ishikawa
以前紹介した「サマリア」と同じ監督、キム・ギドクの作品。あり得ないストーリーを強引にまとめ上げている。
「サマリア」を見たときに車が滑りうまく前に進めない感傷的なラストシーンがあったが、この映画にもそうした優しい眼差しが感じられる。
ストーリーは一目惚れした普通の女子大生を騙し売春宿に売りおとしめていくことがヤクザの主人公ハンギの愛情表現という、わけのわからない設定である。
そこには監督独自の視点が存在し、娼婦を男を慰める聖女とみる視点や、一言しか台詞のない主人公ハンギ捻れた感情への共感など、おそらくこの監督独自の捻れた視点が作品に新しい感情を呼び覚ます原動力になっているのではないだろうか?
このDVDセットに監督のプロフィールがあり初めて知ったのであるが、家の事情で高卒で働きはじめ、その傍ら絵の勉強をし単身パリに行きアトリエを開き、帰国後、二つの脚本を応募しそれが見事映画化されると言う、全く映画の素養のないまま監督になった人物で監督の人生自体がサプライズであり、この映画のようにサプライズな設定を描けるのはそうした監督の人生体験がなせるワザなのではないだろうか。
2006/1/22 ishikawa
正月に実家に帰った時に韓国と韓国映画にはまっている兄の大量のDVDからオススメを10本程度借りてきた中のひとつ。
以下はアマゾンから借用です。
「刑務所を出所したばかりの男と重度脳性麻痺の女。冷淡な社会から疎外された二人の純粋であまりにも美しすぎる恋愛物語。出演はソル・ギョング、ムン・ソリほか。」
ストーリーは社会からはずれたところで弱者同士の純愛物語ではじめは一般人から見て風変わりな視点で捉えられているが、次第に視点が逆転して主人公の2人からみてどうして廻りはもっと理解して上げられないのだろうというように意図されて映画は進んでいく。
そしてなんといっても見所は、重度の脳性麻痺の主人公を健常者である女優が見事に演じていることである。これはかなり迫真の演技であると思うし、ここまで演じるのはかなりの研究と障害者への理解が必要なはずである。また男優もさりげないがいい演技でこの映画を支えている。
映画をみた感想は静かな感動と社会の偏見について考えさせられるもので、それは決して障害ということに関してだけではなく偏見に対して普遍性のあるメッセージに高められて訴えてくる映画であった。
2006/1/17
おくればせながら やっと 見ました。
結論から言うと 自分のなかでも最高部類に位置する名画でした。 感動しました。
若く真面目な医学生であったキューバ革命の指導者のゲバラのが南米大陸を横断する旅にでる物語。
革命の指導者であるゲバラは自らも喘息を患う弱者故に、医学の道に進みハンセン病を専門とし、旅する中で南米の先住民が植民者によって虐げられ貧困にあえぐ現実を見て矛盾を感じそして怒りへかわる様子も描いている。
ゲバラが泳いでハンセン病患者を閉じこめている境界である河を喘息を患う肉体で渡ろうとするシーンは この映画とゲバラの人間性が象徴されていて、とても忘れることの出来ないシーンであった。(涙)
わたしはコミュニストというわけではありませんが 映画は 超 オススメ です
2005/11/19 ishikawa
製作・監督: アルフレッド・ヒッチコック 脚本: ジョン・マイケル・ヘイズ 撮影: ロバート・バークス 出演: ジェイムズ・スチュワート/グレース・ケリー/レイモンド・バー/セルマ・リッター/ウェンデル・コーリイ
ヒッチコックといえば「鳥」「サイコ」くらいしか見ていないが、はじめて見た「裏窓」が一番面白かった。
日本ではこの映画にでてくるような裏窓の風景はあまりないだろう。ニューヨーク(原作はロンドン)のフラットの裏窓からの様子が興味深い。
裏窓とは通りから見て裏側ということなのだろうか?囲み型の集合住宅であれば、欧米の中庭側は全て裏窓ということなのだろう。日本の場合、方位によって南側にリビングが来るので居間が中庭に面している場合は裏窓とは言わないのだろうが・・・など職業柄気になってしまった。
映画の裏窓から見える風景は、変化に富んでいて様々な人々の生活が垣間見えて楽しい。窓、バルコニー、階段、中庭などが、実に巧みにそこで生活している人々の人間模様を写し出す舞台装置として出来ていて、建築家以上に巧みにデザインしていて感心しきりでした。
集合住宅など手がける設計者必見ですな!
オススメ
2005/11/12 ishikawa
たまたまレンタルで興味をもち見た映画。
監督: 羽仁進 脚本: 羽仁進/寺山修司
寺山修司だけは名前だけ知っていたが、作品に触れるのははじめて。
1968年の作品でわたしが生まれた年である。モノクロームの映画でその時代の新宿の夜の様子を映像と雑踏の音ではじまる映画で、物語は不条理な生い立ちをもつシュンという主人公と集団就職で東京にでてきて今は新宿で「ヌードモデル」をしているナナミの恋愛の物語。
だが初恋というタイトルから通常連想する甘い雰囲気は全くない。
シュンは親に捨てられ施設から里親に引き取られた両親に育てられ、その父に性的虐待を受けていた。(子供は親を選べない不条理)
ナナミは「ヌードモデル」(今で言う風俗嬢)でそこで知り合った会社役員の男に優しくされSMの世界などを経験していく。(社会の不条理に身をおくナナミ)
つまり物語は二人の恋愛物語ではなくこうした特異な二人の出会いによって浮き上がる社会や人間の不条理をテーマにしているのだと思う。
映画を見終わって、キューブリックの「アイズ・ワイド・シャット」を思い出した。時代や場所の違いはあれど人間の肉体(肉欲といってもよい)によって照らし出される不条理な世界観が結びついているように感じたのかもしれない。個人的にはこの時代の風俗描写が新鮮で新宿も昔はこうだったのだなぁ・・・と。先日紹介したアントニオーニも「Blow up」も同時代の映画である。自分が生まれた頃につくられた映画はやはり気になる。映画に関連してこんな記事も見つけました。
スタッフ・キャスト
製作: 藤井知至 監督: 羽仁進 脚本: 羽仁進/寺山修司 撮影: 奥村祐治 録音: 久保田幸雄 美術: 金子国義 照明: 鎌田慧 スチール: 沢渡朔 出演: 高橋章夫/石井くに子
2005/11/6 ishikawa
1966年 ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品。
アマゾンのレビュー
「Amazon.co.jp
深夜の公園でカップルを盗み撮りした売れっ子カメラマンのトーマス(デヴィッド・ヘミングス)。そのことに気づいたカップルの女性(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)は、彼にネガを出せと迫る。しかし、彼女に別のネガを渡したトーマスが本物を現像してみると、そこに映されていたものは…。
イタリアの巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督が、彼の不変のテーマでもある「愛の不毛」をモチーフにイギリスロケで撮りあげたスタイリッシュなサスペンス不条理劇で、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した問題作。モード感覚あふれた美術や衣装、そして音楽などのセンスがすばらしく、それらは時代を超えた流行の先端として、今なお採り上げられることもしばしである。(的田也寸志) 」
ウィットにとんだ表現が難しいテーマのわりに飽きさせない映画。監督自身2作目のカラー作品で意識して強い色彩を強調している(この時代の色彩は建築のカラーリングにも共通している)。
アントニオーニの映画は実は「愛のめぐりあい」を観ただけであるが、主人公の突発的で大胆な行動はどこか似ていてイタリア野郎ってこんな感じなのだろうか、映画の内容以上にひかれる部分である。
またこの映画にはアントニオーニ研究家の音声解説が付いていて一般的な映画の解釈を解説していて親切ではある・・・・が、かなり細かいところまで解説していてうるさい・・と思うところも多い。
全体的な映画のセンスは久しぶりにとても気に入った作品であった、とても40年近く前の作品とは思えない、邦題の「欲望」は解せない! が オススメ。
2005/10/23 ishikawa
韓国映画。韓国にも援助交際があったのですね。
出演: クァク・チミン, ハン・ヨルム, その他
監督: キム・ギドク
いい映画でした。たぶん。
援助交際をひとりは見張り、ひとりはオヤジの相手という分担していたことからはじまる高校生の物語で、オヤジの相手をしていた女の子は警察に追われて窓から飛び降り・・・・死。そして見張りをしていた女の子は、援助交際していたときから友人に後ろめたさがあったこともあって、友人の死によって決定的となった自分の罪を罰として友人が相手をしたオヤジたちの相手をしながら以前稼いだお金を返していくのである・・・・その過程で彼女は友人を再発見しオヤジを通した現実の社会と直面する・・・・そうした行為を今度は偶然に彼女の父親が目撃する。そして映画は父の視線から彼女のそうした行為を追いかけることとなる・・・・。
物語の主題は実は二人の高校生のことではなく、母親を死でなくした、父と娘が現代を生きる物語として丁寧に描かれている。そしてとてもキリスト教的である。情感のこもった映像がいやみなく表現されていて素直に感動できる。
オススメの映画です。
2005/10/12 ishikawa
スペインの映画。動けない主人公が想像力を働かせて海を飛ぶシーンは印象的であった。
尊厳死を語るほど知識がないのでアマゾンからストーリーを
25歳の時に海で起きた事故で首から下の全身の自由を奪われ、寝たきりの生活を送り続けてきたラモン・サンペドロ。26年間、彼は家族の絆や介護に支えられ穏やかに暮らしてきたが、自分らしく生きるために「尊厳死」という選択をするが、彼を心から愛する人々は、彼の選択に動揺し、葛藤する———。
個人的には、直面しないとなんとも考えにくいテーマで、映画の場面もそういう葛藤が感じられ目にしたくないシーンがいくつかあった。
・・・・・感想を書きにくい映画である。 自分のなかで評価が定まらないというのが正直なところです。
2005/10/11 ishikawa
これも連休中にみました。ちなみに去年のドラマはみていませんが。
今年もアエラに特集記事が載っていて、映画に出てくる地方都市の様子が書かれていました。ハンセン病と裏日本。
物語の評価は既にいろいろ語られているので、違った視点で
映画は丹波哲朗や加藤剛など若くて・・・・。加藤剛と仲居くんでは比較にならないかんじしたね。そのほか、笠智衆、緒形拳、菅井きんなどオールスターキャストで楽しかった、役のうまい下手はかなりありましたが。
それと裏日本の都市の様子なども時代を感じましたね・・・。
もう少しと言うところもありましたが、全体的にはいい映画でした。
2005/9/22 ishikawa
実は世代が完全にずれているので、ソウルの神さまで、愛しのエリーをカバーしたした時の印象くらいのことしかしらない。映画の時間も50年代後半から70年代前半くらいまでがメインでレイ・チャールズがヒット曲を世に送り出していた時代で、わたしのが生まれる前のことばかりであった。
映画はソウルの神さまの暗い部分、ヘロイン、女、人間関係、ビジネス、人種差別など音楽以外の部分が描き出されていて興味深かった。特にヒット曲を連発していた頃はヘロイン中毒であったこと、中毒を克服したあと音楽的に発展がなかったことを考えると複雑な思う。そして人間関係もダーティーで冷徹な部分も描き出されていて、単に人物を神格化する映画ということではなかった。映画の見せ場はやはり、ライブやレコーディングなどでアドリブで次々に新しい音楽を創造していく過程を描き出していてなかなかで、この部分は映画館でみたほうが迫力だったろうなぁとちょっと残念であった。休日にはオススメの映画です。
2005/9/18 ishikawa
出演: 一青窈, 浅野忠信, その他
監督: 侯孝賢
レンタルビデオ屋で「小津安二郎生誕100周年を記念して・・・」という、うたい文句を見かけて、何気なく借りた。
小津作品との関連性(ローアングル、間合い)も感じられるが、全く違う質の作品に仕上がっていた。
ストーリー自体は平坦ではないが、映画自体はまったりと淡々と進行していく。
小津作品でいえば、笠智衆の父役に小林稔待が配役されているとイメージを重ねていたのだが、どうも見当違いで、一青窈、配する陽子の現実を受容して動じないクールなイメージこそ現代的な笠智衆だったのかもしれないなぁと・・・。
とにかく全体に平凡で退屈な日常を見るような映画の進行だが、不思議と飽きずに全て見てしまった。なにが良かったかわからないが、いい映画を見た後の満足感の残る作品であった。(なんの批評にもなっていませんが・・・見ないとわからない映画です)
@tea break
2005/8/19 ishikawa
監督である三谷幸喜の家づくり体験をもとにコメディに仕上げられている。新進気鋭のデザイナー役の唐沢寿明とクライアントの父であり大工である田中邦衛のキャスティングだけで、専門の方はどんな物語が想像がつくのではないだろうか?我々は唐沢寿明の視点から感情移入するが、見る人の立場でクライアント、大工、クライアントの親、等、家づくりに関係する面々や干渉したい面々が登場しそれぞれの立場で感情移入できる点が誰もが一度は経験する家づくりの幅広さと面白さを伝えている。
ちょっと設定がおかしいところもあったり、誤解を与える向きもあるが、概ね、家づくりでおこるトラブルのツボは抑えられていて、笑いのツボも専門である我々からみても「あるある、そうそう」という感じでなかなか面白かった。
-----------------------
スタッフ・キャスト
製作: 宮内正喜/高井英幸 監督・脚本: 三谷幸喜 撮影: 高間賢治 音楽: 服部隆之 出演: 唐沢寿明/田中邦衛/田中直樹/八木亜希子/野際陽子/吉村実子/清水ミチコ/山寺宏一/白井晃/伊原剛志/江幡高志/井上昭文/榎木兵衛/松本幸次郎/松山照夫/八名信夫/布施明/井上昭文/近藤芳正/梶原善/松重豊/梅野泰靖/戸田恵子/中井貴一
-------------------------
2005/5/4 ishikawa
マーロン・ブランドが亡くなった。享年80歳。
ゴッド・ファーザーのあのしゃがれた低い声で、たまにぼそっと言う重みのある格言めいた台詞が観るものをグッとマフィアの世界に引き込む雰囲気のある俳優だった。
また映画の中の最後のシーンがわたしの印象から離れないで残っている。この映画でアカデミーの2度目の主演男優賞を受賞したが、アカデミーでの北米俳優の扱いの低さに抗議して辞退したエピソードもある。
今日はニノ・ロータの「the godfather waltz」を聞いて冥福を祈ることにしよう。
2004/7/3 ishikawa
「アンドレイ・ルブリョフ」監督:アンドレイ・タルコフスキー 182分モノクロ
ロシア最高のイコン画家の半生を描いた映画。
永遠に傑作と呼ばれる芸術作品がいかにして生みだされるのかをルブリョフの精神的な機微を通して描き出している。
我々はものづくりにおいて、その環境をいいわけにして自己実現できないと放棄しがちであるが、それが過ちであることをこの映画は教えてくれる。
2004/6/26 ishikawa
dpaはUNHCR協会を通じ難民などの支援をしています
Copyright©2002-2019 dpa,inc. All rights reserved.
TOP PAGE l PROFILE l WORKS l BLOG ACHIVES l CONTACT l PROCESS l LINKS l WALKIN' on the WATER