小学校現場監理シリーズです。
昨年から今年にかけて約1年間かけて設計していた小学校が着工しました。これから約2年間かけて完成をめざしています、もちろんわたしが監理します。
まだ先は長いですが、子供たちの未来のための施設であるこの小学校を、最後まで粘り腰を発揮してよりよいものにできるように頑張ろうと、決意を新たにした次第であります。2004/8/21 ishikawa@summer holiday(起工式、安全祈願祭はもちろん出席です)
10日ほど前の小学校の現場です。
杭打ちの最終日に立ち会いに行かせて頂きました。地中の部分ですが、建物にとって重要な要素です。一日に多い日は12~13本打つそうです。この日は、12本打ち、杭打ちが終了しました。
帰りに発見した看板。
朝も通ったはずなんですがすっかり見落としていました。
我が事務所の名前を見て、図面に書いたものが、現実に出来上がる事を実感しました。
(といっても、まだひよっこの私は、模型づくりに励んだ程度なんですが。。。)
人生初現場。初杭打ち。よく見ようと思い、知らぬ間に前へ前へ行ってしまうらしく、何度も現場の方々に危ないから下がるように、と言われてしまいました。
2004/9/24 watanabe
小学校の現場も地中基礎の工事が佳境にはいってきた。写真は講堂部分で、遠景に見えるのが白山である。10月1日現在の写真。(下左)
こちらは10月15日現在の現場からの写真、2週間ぶりの白山は雪化粧となっていた。設計通り白山を背にした校舎なのだが、電線が邪魔である。 (下右)
2004/10/17 ishikawa
夜の現場、投光器で照らし出される鉄筋が美しい
コンクリート打ちを明日に控えているのだが、台風の影響でポンプでの水抜き、清掃を夜までかかって行っている。今年は台風のあたり年で工事に影響がでているが、それでも工期はずらせないので、必死の夜の作業となる。(写真の工区は明日ではないが)
コンクリートの中に埋ちこまれてしまうために、清掃され夜の投光器に照らし出される美しい鉄筋たちが、永遠に子供達を守ってくれるのだろうと思わせる夜でした。
(こんな感慨に耽っていて忘れ物をしてご迷惑をかけた現場のOさんごめんなさい)
2004/10/23 ishikawa
18日の現場の様子です。
前回から1ヶ月程ですが、随分と変わっていました。
前回は表面的には更地のようだった(地中には構造体が打ってありましたが)のに、だいぶ建物の外形が見えてきていました。
土間コンクリートの鉄筋です。検査の立ち会いの後コンクリートが打たれていきます。
2004/11/24 ishikawa
1週間前は床のコンクリートが打ち終わったところから、急ピッチになった。写真は講堂内部の建て込み。
2004/11/30 ishikawa
ついに講堂のアーチ梁のサポートが建ち始めた。18mをコンクリートの梁でワンスパンにしているので、相当密度の高いサポートになっている。現場の打ち合わせを7時に終え、一路車で東京へ、北陸道の加賀ICから米原へ、そこから名神高速で小牧までそこから中央道で八王子そして高井戸までのひとりドライブでした。途中、夕食と休憩で、5回ほどパーキングを利用して、約7時間かかり家に辿り着いたのは深夜2時でした。いつもバスや電車、飛行機の旅を単独でドライブして、やはりその距離感(遠い)を体感した気がする。来週は事務所総出で現場へいきます。もちろん車で。せっかくなのでプチ社員旅行ということで、一泊して金沢へ評判の21世紀美術館などみる予定です。
2004/12/4 ishikawa
講堂の足場(右)と特別教室(左)の足場が見えてきました。勾配屋根の妻面です。
2004/12/13 ishikawa
クリスマス・イヴの朝の現場。ほぼ全体のボリュームが見えてきました。 もう、ここまで来ると「まな板の上の鯛」の心境と行きたいとところですが、やはり原寸の大きさに圧倒され、模型で何度も確かめた事もこれで良かったか、葛藤があります。前職時代「レイテスト イズ ベスト」という精神を教わりました。検討を重ねた結果でこれが今の実力、先に残る作業に全力を、といい聞かせる毎日。この日は朝8時から配筋検査、午後に定例会議と休みナシの日程した。深夜のバスに乗りクリスマスの朝に八王子に帰ってきました。現場からのレポートは今年は最後です。また来年。
2004/12/24 ishikawa
新しい年の現場。
いよいよ一番の山場である講堂のアーチ梁に差し掛かってきました。
手前の屋根スラブは暮れに打設した部分です。
北陸の天気は移ろいやすく、晴れ間がのぞいたと思ったら雨、晴れ、雨の繰り返しでした。午後からは雷、氷とめまぐるしく天気がかわり、今晩から雪だそうです。そういえば帰りのホームはもの凄く寒かった。今頃雪降っている頃でしょうか?
2005/01/07ishikawa
工事現場の一番高いところから撮影した写真です。右上にうっすら海が見えます。日本海から約1キロ程度のところに位置しています。
この日は配筋検査でした。コンクリートも残すこところあと1工程になりいよいよ外部の仕上げ工事が始まります。
2005/01/20ishikawa
昨日の現場の夕景。快晴でした。最後となったトップライトのコンクリート打ちを祝福してくれたのは、霊峰白山でした。このあと一期工事は、外装仕上へ工程が進みます。3月末までに外装をして一期工事は完成です。8月に内装工事が再開する予定です。とりあえずここまでくれば、多少の雪があっても予定の工程はクリアできるでしょう。
2005/02初旬頃 ishikawa
クリストのラッピングアートのようです。仕上げの工程に移るのでシート養生したところです。既存校舎の屋上から撮影したもの、これから金属屋根を葺くところです。
いまのところ天候には恵まれていますが、今週から雪マークなので、工程が厳しくなりそう。
2005/02/21 ishikawa
とにかく田園に囲まれた小学校なのです。こんな素晴らしいロケーションで設計できることはもう二度とないかもしれいといえるほどである。学校の前には既存の桜並木があって、桜の季節は本当に美しい。ブルーシートの中はこんな様子です。トップライトのてっぺんからです。日本海が望めます。ついに講堂のアーチ梁の型枠の解体がはじまり姿が見えてきました。さなぎから蝶になる瞬間のように、コンクリートの建物は型枠を外す瞬間の期待感がたまりません。
2005/02/21 ishikawa
番外編、設計時に撮影したサクラの頃の写真2003年4月末頃の写真。現在もサクラを残しながら工事は進められている。グランドからみたサクラ。サクラを残して手前に校舎を建設しているので、もうこの風景は見られない。
2005/03/03 ishikawa
講堂のコンクリートのサポートの解体が進み、アーチ型の梁がほぼ見えてきました。こんな感じです。通常アーチにすると上からの荷重を支える格好になるので、その下はやや圧迫され、囲まれた雰囲気になるのですが、この講堂は子供たちの活動の場となるので、アーチの重々しい雰囲気を避け、子供達の活動を内側から膨らました空間となるような狙いでプロポーションを決めました。仕上げは防音工事(補助工事)の関係で梁と梁の間は天井を貼ります。梁は補修をかけてペンキ仕上げの予定です。こちらは、屋根の木造の庇です。こちらも防音工事(補助工事)の関係で構造体はコンクリートにするのが条件なのですが、せめて内と外をつなぐ庇の部分だけでも木造とし、木の持つ柔らかい雰囲気を外観にも付加する狙いです。屋上広場、木造の軒下です。トップライトの日除けと同時に屋上に「軒下」という場所を作っています。ここから運動会などイベントを見ることも出来ます。窓は普通教室の窓なので、屋上から教室の様子が伺えます。この屋上はさらに突き当たりに展望広場への階段につながっていて結構楽しい。
2005/03/09 ishikawa
「パッサージュ」と名付けた吹き抜けに取り付ける鉄骨階段。2階からみた吹き抜け。2階は主に図書室や音楽室、図工室、理科室、家庭科室などの特別教室となっている。つまり普通教室から特別教室へ移動する時にこの「パッサージュ」を通る導線となっている。「パッサージュ」の一階は職員室となっていて、廊下には学校の行事やお知らせを貼る掲示板がある。「パッサージュ」は吹き抜け、階段、情報が結節する溜まりの場所となっている。
2005/03/10 ishikawa
外部に「雁木」と名付けた鉄骨庇の取り付けがはじまりました。下から見上げたところ。錆止めの亜鉛メッキをしてある状態です。仕上げに白の塗装をします。軒裏は杉板を貼る予定ですが、鉄骨は見えたまま仕上げます。仕口のアップ。これから補修をかけてペンキをします。コンクリートとの精度の問題や施工手順などやや苦労したところでした。
現場も大詰めになって来週から塗装をはじめます。塗装をするとだいぶ印象が変わるので楽しみでもあり、不安でもありですね。
2005/03/11 ishikawa
講堂の足場が完全に解体された。じつはその15でアップした写真は他のスタッフが撮影したもので、わたしは昨日この中にはじめて入ったのである、その瞬間、実は少し衝撃を受けた。
この小学校の設計で一番苦心したのが講堂のプランと形であった。どうしても両翼の特別教室との整合がうまくいかなかったり、補助金の関係でやむを得すプランの変更を余儀なくされたり、はじめは予定していなかったステージのプロセニアムアーチを付けたり、トップライトからの光の入り方や形状を限られた防音サッシュのタイプから決めなければならなかったりと、様々な困難がこの空間に集中してしており設計の最後の最後までいろいろと手を加えた部分であった。そして最後までこれでいいのか自信のない部分であった。
そういう葛藤のあった部分が出来上がり、はじめて訪れる設計者に「どうだ!これがおまえの考えたものだ!」という圧倒的な大きさで訴えてくるものがあった。
これで完成ではないが、とにかく構造体が出来てしまえば、内装にできることは限られている。もう後戻りはできない。
2005/03/11 ishikawa
屋根の仕上げはガルバリウム鋼板の塗装品です。少しパールの入ったグレーです。瓦のいぶし銀のような感じです。この小学校は海から1キロと海に近く塩害恐れがあるので、錆びに強くコストパフォーマンスのよいガルバリウム鋼板葺きとしました。2階から見た写真。パールが入っているので光の当たり具合で印象が異なります。
2004/03/19 ishikawa
吹き抜けに取り付く鉄骨階段。小学校の階段は児童用なので建築基準法で決められた踏み面、段の高さ、階段の幅が決まっています。よってかなりゆったりした傾斜の階段となり、どっしり横たわるため、なんとなくリッチな雰囲気です。2期工事で木製の段板と手すりが付けられます。こちらはステージのプロセニアムと2階奧に見えるのはライブラリーの間仕切りの鉄骨。ステージは通常の小学校では体育館の長手方向の奧にある場合が多いようですが、ここでは計画上やむをえない面もあってこ短手方向側に設置したのだが、できるてみるとこの位置のほうが断然よかった。むしろ体育館型のステージがやむなく長手方向に設置しているでは?ということに逆に気づかされた。この講堂ではどこからもステージに近く、2階の回廊もステージを取り囲む形になっていて、一体感と臨場感のあるスケールとなっているように感じた。
2004/03/24 ishikawa
一部塗装をしました。ここのところ天候不順で思うように進んでおらず、ちょっと現場もイライラ気味ですが・・。この展望台からは、ここへ通う児童たいの街並みが望め、その背景に白山や日本海が望めます。全体の塗装は白ですが、子供の溜まり場となって場所を作っているところは、黄色を使用しています。今はやや濃いめですが、数年後には落ち着いて、この地域名産の「加賀梨」の色に近づく予定です。いずれにしも少し暖色系の色で暖かみのある場所を作ろうという意図です。
2004/03/24 ishikawa
先日、現地から送られてきた画像です。ほぼ外装は完成しています・・・。といっても1期工事には外構工事は含まれていないので、まだまだ完成からは程遠いですが。これは雁木と名付けた外部通路の庇です。準耐火構造という法令上の制約があり、鉄骨造のフレームの庇に杉板の軒天井を貼っています。わりと綺麗にできたと思います。
実はまだ最後のチェックが終わってません。来週行って来ます。
2004/04/07 ishikawa
昨日の現場の様子。サクラが咲いてました。
例によって早朝バスで到着して、現場に直行。写真は5時半くらいです。曇天でしたが、サクラと外壁の白が明るい場所をかたちづくっていました。
この小学校の建つ場所は周辺地域からやや低い場所にあり、母屋ともいえる講堂のスケールは低い場所に沈み込まず、隣接する既存の体育館と対峙しても中心として意識できる形にしている。・・・・つまりトップライトを含めて大きく、高く見えるようにデザインしています。(そのため近くからはややオーバースケールな感もあります)来週はそのあたりの意図がもう少しわかりやすい写真をアップの予定。
2004/04/13 ishikawa
たぶん一期工事最後の出張。ということで一期工事最後の日本海、尼御前岬の朝焼け。先週のさらに遠景からのショット。午前中の逆光で撮影しています。すり鉢状の地形の底に建つので、かなり沈み込みます。その反対側です。朝日で白が映えます。こちら側の建物の前はフラットな地形が広がっています。撮影は少し高台になったところから撮影しています。トップライトの軸方向は真っ直ぐ白山方向を指しています。左側の校舎は完成後に解体しますが、一番手間前の体育館は完成後も使用します。
・・・・
つづく
2004/04/20 ishikawa
東側の遠景です。殆ど廻りは水田で、水をはる直前です。田植えをした頃の方がきれいな風景ですね。少し高台になったところからです。ピントあってませんね。夜、学校に照明があるときにはトップライトから光が漏れてよく見えるはずで、デザインのひとつの狙いでもあります。
2004/04/22 ishikawa
手前が体育館でこれは既存建築物です。奧に白く見えるのが講堂の妻面です。桜並木があると絵になりますね。水田に水を張り始めたところですね。正面のサクラを3本移植する予定なのですが、そのままでもよいかなぁとちょっと悩みはじめたところです。写真をとっていると爆音がしてきましたあわててパチッと撮りました!小松空港が近いのですが、自衛隊と共用の空港なのです。ジャンボジェットよりイーグル?1機の音の方が大きいんです。この爆音のせいで、この小学校は防音校舎の設計になっています。補助金は防衛庁から出ているため、その仕様書に従って設計しました。本来ならば小屋組だけでも木造にと思っていったのですが、それも叶いませんでした。躯体はコンクリートです。サッシュは120見込みの2重サッシュで、かなり特殊な形式と制約のあるサッシュで、しかもメーカーも僅か数社で、今回採用のメーカーの豊和工業は武器なんかもつくってたりします。外観からはあまりわかりませんが、インテリアからはハッキリってかなりごついサッシュです。もうそのあたりは、補助金がらみで触れないので、自由に出来るところでなんとかって感じでした。
2004/04/24
東側正面からです。この小学校はこの面がメインエントランスです。公民館の角にある標識看板がベストポジションを占めていて目立ちますね。左手前が公民館、右側のフラットルーフの建築が保育園です。ちょっとしたパブリックゾーンを形成しています。隣の町も同じだったので、計画的に集中配置されたのでしょう。
一期工事が終わったので、暫く現場に行く用事がないので、このシリーズも暫く休みにしようかどうしようかと思っています。二期工事に向けて発信できる情報があればまた随時アップします。因みに二期工事は8月からの予定です。
2004/04/25 ishikawa
dpaはUNHCR協会を通じ難民などの支援をしています
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